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2017/06
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TOB(公開買付)における証券会社の役割について
 上場会社が対象となるM&Aにおいて、証券会社が果たす役割を簡単に示しますと、以下の様な機能があります。

(ア) M&Aマッチメーカー的機能=売り手・買い手の仲介を行うもので、M&A助言専業・地域金融機関なども同業務を手掛けています。特に、ライセンスが必要ということではないので、この業務を行うものの参入障壁はありません。

(イ) フィナシャル・アドバイザー的機能=売り手若しくは買い手のどちらか一方の立場にたって、適切にM&Aが実行されるように助言を行います。企業価値算定やデューデリジェンスの支援などを行うこともあり、金融機関・商社などもこの業務を行います。上記(ア)の様に売り手・買い手の両者の立場に立たないのは、どちらかに利益相反が発生する可能性があると考えるからです。
なお、買い手側に立ったフィナシャル・アドバイザーは、買収資金の資金調達に関与することもあります。

(ウ) 公開買付(TOB)代理人=これは株式を直接扱う為、証券会社でなければ行えません。

 M&Aは、その一つ一つが個別のプロジェクトと様なもので、案件によってその対応も異なりますが、株式を集めるという行為においては、実務的に証券会社が関与します。最近の実例をもって、その役割を示したいと思います。

◎西武ホールディングスに対するサーベラスのTOB
【TOBの概略】
・買付対象株=西武ホールディングス株式(西武鉄道は2004年12月に上場廃止、現在上場準備をしていると言われているが、株主が1.3万人いて有価証券報告書提出義務がある為、TOB規制の対象となる)
・買付者=エス-エイチ ジャパン エルピー(サーベラスグループの関連会社)
・買付目的=サーベラスグループは、現在32.44%保有している株式を、36.44%まで増加させ、経営陣を強化したいとしている。
・買付株数=13,672,700株まで
・買付価格=1400円(現在の単元未満株買取価格1,175円の19.15%プレミアム)
・買付期間=3月12日から4月23日まで

【TOB環境】
現在、上場政策等を巡って筆頭株主のサーベラス側と現経営陣が対立していると言われており、またTOB公表後も会社からは賛同意見は表明されていない。所謂、敵対的買収に近いかたちになると見られている。

【証券会社(公開買付代理人)の役割】
 公開買付報告書によると、公開買付代理人のA証券に対して、今回のTOBにおいて2.4億円の手数料(買付金額に対して1.25%)が予定されている。この分が何の対価なのかについて、以下のようなことが考えられる。(実際の業務内容は、買付者と代理人間の契約によりますが、以下は筆者の推測も含みます)
・TOB応募者から株式を預り、買付応募株数が上限を超えた場合は比例案分を行う。
・TOBが成立した場合、応募株主への代金の引き渡し。不成立の場合や比例案分に洩れたケースの株式の返却
・上記2つは、通常の公開買付代理人業務だが、今回は対象会社の同意の得られない敵対的TOBのなる可能性もあり、代理人業務として1.3万人の株主に対するTOB応募への何らかの勧誘行為が行われるのではないかと見られる。

今まで、証券会社は敵対的買収行為に対して避ける傾向がありましたが、TOBのあり方も多様化する中、この様な証券ビジネスの拡大はあっても良いのではないでしょうか。

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ジャンル : ビジネス

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