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2017/10
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株式市場が好調な時に、敢えて発行市場の問題を考える
 標記の問題を簡単に言い切りますと、“いくら株式市場が活況でも、需要を上回るような株式が供給されれば、市場は下落に向かわざるを得ない。”ということですが、株式を供給するのは発行市場です。バブル期の1989年、リーマンショック直後の2009年は、いずれも5兆円を超える新株が市場に供給され、その後の株価下落の要因の一つとなりました。

 年明け後、公募増資だけでも既に22件(内、J-REITは8件)が発行決議されていますが、3月にはJTの売出しもあり、これだけで7000億円以上の資金が市場から吸収されています。現在の株式市場が堅調なのは何よりですが、永年発行市場に携わっている経験則からいいますと、3月期決算銘柄の株主総会明けとなる7~8月には、再びファイナンス案件が増加する可能性もあります。

 ここで申し上げたいのは、ファイナンスが増えそうなので、備えて下さいという事ではなく、企業にリスクマネーを供給し、投資家の新たな投資ニーズを掘り起こすような発行市場のあり方とは何なのか、改めて考え直す時ではないでしょうか。

 現在、証券業協会では“増資インサイダー問題”を受けて、以下のようなことを検討しています。
○増資情報を始めとする法人関係情報(上場企業などの重要事実に関係する情報)を、もう少し厳格に管理する為に、情報管理体制に対して定期的にモニタリングを行っていくこと。
○公募増資などにおいて、公表前に情報が公表した場合、引受けを行わない 等

勿論、上記の様に増資情報をキチンと管理して、問題(この場合は、事前の情報漏れ)のあるファイナンスの引受を行わないのは当然のことと思いますが、増資インサイダー問題の背景になったのは、公募増資=売り材料ということが定着してしまったからです。発行市場は、関連法規と証券業界の発行市場関連ルールで成り立っていますが、この公募増資=売り材料の現状を変える為、現在の市場・投資環境にあった取組みもまた必要ではないかと考えます。以下の様なことを、証券業界全体で考えてみては如何でしょうか。

◎現在の投資家を取り巻く環境にあったファインアス勧誘のあり方=ネット化の進展に合わせた公募株などのネット上でのプロモーション活動が解禁されても良いのではと考えます。例えば、インターネット上でのロードショー(投資家への調達資金や成長戦略に対する説明会)解禁など当局に規制ルール緩和等を求めても良いのではないでしょうか。

◎公募増資の公募たるに相応しい販売のあり方=主幹事の中で販売すべき新株を多く抱えて、ファイナンス時に余剰感を醸成していたことも、増資インサーダー問題の遠因ではないかと思います。公募株の取り扱いが、広く対面営業の証券会社で行われれば、多くの証券会社の店頭において多くの販売員からファイナンスの効果が投資家に語られます。その為には、引受実務と販売活動を分離したような公募増資のあり方が検討されても良いのではないでしょうか。

◎大規模な資本調達にあったファンナンス手法の開発とその定着=大規模な調達とは、既存株主にとって大規模な希薄化が伴う訳ですから、ファイナンス手法としてはライツ・オファリングが望ましいと思われます。しかし、昨年2例目がでたものの、この手法がファイナス手法として定着しているとは言える状況ではありません。特に、期待されているコミットメント型は、現状の引受証券会社側の実務においてハードルがいくつかあり、まだ実務的検討課題を詰める必要があるように思われます。(この件は、別途取り上げます)


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