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2017/08
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復活するFX取引、低迷するCFD取引
 4月の日銀による異次元緩和の後、円安が更に進んでいるが、個人のFX取引が通常(昨年の平均)の4倍の水準に膨らんでいることが伝えられている。また円安傾向が続くのではといった見方が大勢なので、外為市場における個人のFX取引の存在感が強まりそうだ。
 ネット証券の決算状況をみても、店頭FX取引の増加による為替益の拡大傾向も定着し、リテール証券では、外債販売強化によって債券トレーディング益を拡大しているところも目立つので、証券会社などは個人投資家のFX取引強化を目論むことも予想される。

 一方、FX取引と同じ仕組みのCFD(Contract for Difference=差金決済)取引は低迷している。
どちらも証拠金を担保に、数倍~数十倍のレバレッジをかけて取引し、反対売買を行ってその差額を決済する。FX取引はその売買対象が外国為替、CFD取引は個別株・株価指数・債券などの金融商品は勿論、金や穀物などもあり、理論的には市場があるものならその対象は何でも可能だ。元々は、大手金融機関などとファンドなどの機関投資家間での相対取引だったが、これが個人向けに小口化してデリバティブ商品として取引が始まった。日本においては、FX取引増加後の4年程前から取り扱われている。
 当初は、個人投資家のデリバティブ取引拡大の為に寄与することが期待されていたが、現状は以下の様なものだ。

CFD取引の概況
(日本証券業協会の統計資料を基に作成したので、商品関連CFDは含まれない)

 また、世界的なCFD取引サービスの提供者(ホワイトラベルとして、証券会社などにシステムと取引商品を提供)が日本には4社進出していたが、うちCMCマーケッツは昨年11月、GFTは本年3月に撤退した。CFDを個人投資家に提供する証券会社の方も、大和・SBI・楽天などの大手の撤退が相次いでいる。

このCFD取引低迷の理由について考えるにあたり、いくつかの要因を上げておきたい。

【時期的な問題】
・この4年間は、基本的にはリーマンショック後のリスクオフの時期と重なった為、リスクオンしてレバレッジ投資を個人が拡大する環境とは異なっていた。(現在は違った状況かもしれないが、・・)
・証券会社にとって、ペーパレスや超高速化など源市場でのシステム対応や通常のIT化推進が中心となり、新たな商品へのシステム投資等が控えられる傾向にあった。

【制度的な取組みとマーケンティング問題】
・4年前は、ちょうとFX取引拡大後の弊害が目立った時期で、個人のデリバティブ取引全般に規制強化する方向が行政方針として打ち出されていた。レバレッジ規制・証拠金管理の強化などとともに、CFD取引に対する不招請勧誘規制は徹底された時期でもある。この様に、FX取引の様に拡大する以前にCFD取引はマーケティング手段が限定されていたが、本来個人投資家へのマーケティング活動を行う証券会社なども不況期で、限られた取組みしかされなかった。
 
【代替投資手段の開発・改善】
・例えば海外株価指数や商品指数などのCFD取引が期待されたが、ETF・ETNの商品多様化の中で同様の投資対象となる商品が開発されたり、信用取引制度の利用でレバレッジ取引も可能となっていた。
・また、本年1月からの信用取引制度改善で、同一の保証金(CFD取引の証拠金に相当)利用が複数回可能となったことから、個人にとっての取引所上場商品や信用取引の取引効率が上昇した。

今後、CFD取引がこのまま低迷を続けるのか拡大に転じるかは、個人のデリバティブ取引全体から見直す必要があるだろう。

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