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2017/11
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市場規律について=ファイナンスの場合
 大辞林によりますと“規律”の意味は、≪社会生活・集団生活において人の行為の規準となるもの≫とありますから、“市場規律”といった場合、≪株主市場に参加するものの行為の規準となるもの≫ということでしょうか。
 勿論、市場参加者が市場でしていけないことは金融商品取引法で定められており、インサイダー取引規制・相場操縦規制・不公正取引規制などがあります。これらに加えて、空売り規制や信用取引規制などは取引ルールに関するものは主に取引所ルール、市場仲介者として証券会社が行ってはいけないことは協会ルールで定められます。

 さて、標題の件ですが、上場企業が市場へ直接参加することに、株式などを新たに供給するファイナンスがあります。この場合の主な規律は、会社法に定められた手続きに従って、金商法上の開示(ディスクロージャー)を行うということですが、以下のことにも発行会社自らの規律を持って対応すべきではないかというのが、本稿の主張です。

【希薄化=既存株主への配慮】
20年以上も前になりますが、日本のバブル期に日本市場のファイナンスもバブルでした。上場企業がどんどんファイナンスして市場からリスクマネーを調達したので、結果として市場需給が大きく歪み、相場長期低迷の遠因となりました。その結果、当時の大蔵省主導で発行市場規制が行われ、例えば新株の発行なら総株数の15%未満、ROE8%以上、発行直後に株主への利益還元増加を約束などのファイナンス・ルールが一時的に強化されました。これらのルールは、1990年代半ばには殆ど撤廃されました。
 リーマンショック後の大型公募増資では、3~4割の希薄化をもたらすファイアンスが相次ぎ、海外の機関投資家から批判を浴び、また増資インサイダーの一因にもなりましたが、最近リートの公募増資が相次ぎ希薄化も5割を超えるものが出始めました。
 上場企業も市場参加者である以上、市場の需給要因に配慮した新株の供給という市場規律を意識して欲しいものですし、既存株主の希薄化ダメージに配慮するならライツ・オファリングの利用も検討すべきです。

【株価への配慮】
 この株価は割安なのか、この株価で買って成長余力はどの位あるのか、そう投資家なら考えるのですが、一般の投資家には少し分かり難い事例も出始めています。例えば、株価が急騰した後の公募ファイナンス実行は、現在のような市場環境では仕方ないのでしょうか。また、資金調達目的であるライツ・オファリングで行使価格を9割以上ディスカウントする事、証券会社などへ割り当てる第三者割当の新株予約権で時価の9割とする行使価格修正を行う事など、個人投資家には発行会社意図が分かり難く、結果として個人の投資を遠ざける可能性もあります。

【情報開示への配慮】
 情報開示に関する問題は、2つあります。一つは資金使途の開示の在り方ですが、希薄化に耐える既存株主・新規に投資を行う投資家にとって、調達資金の生み出す新たな企業価値のイメージがしやすいディスクロージャーが望まれます。もう一つは、大規模なファイナンスを行う場合の大株主等の投資行動等の開示です。ライツ・オファリングの場合の行使や売却の意向、大規模な新株予約権の第三者割当の場合の大株主等の貸し株契約の有無などです。

これらの市場規律に関し、上場企業及びその経営者の理解をサポートするのは証券会社の仕事です。

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