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2017/06
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IFRSは何が問題だったのか~ディスクロージャーのルールとして
 気付いてみれば、IFRS(国際会計基準:国際財務報告基準とも言われていたが、経団連の最近の報告書ではこの名称)は一体なんだったのかという思いに囚われる上場企業関係者は多いのかも知れません。
一般的なIFRSのイメージは、時価会計の徹底や企業の価値をフェアバリュー(公正価値)で測れるので、企業価値が解り易くなるというものでした。この基準の導入により、グローバルな投資家の投資判断を容易にし、クロスボーダーのM&Aを一層促すことが期待されましたが、結局、世界統一会計ルールIFRSというのは幻想だったかもしれません。

 このIFRSは、もともとは欧州発の会計基準で、グローバルの会計基準を統一しようと欧州が中心になって米国や日本に働きかけたところは、地球温暖化措置を目的とした排出量取引と、どうしてもダブってしまいます。真摯に議論されておられる関係者には、お叱りをうけるかも知れません。IFRSは、基本的な考え方に基づいて、その実務仕様を米国などが導入しやすいように議論と交渉を重ねながら進んできましたが、このプロセスも何やらTPP交渉と重なって見えます。適用除外項目を挙げて、各国との公表に望むという方法は、その国の企業などの立場を守るとうことでは正しいのでしょうが、導入目的からは如何なのでしょうか。もっとも、IFRS側でも仕様を変更したり、40以上もある検討項目の中で、各国の利害調整から実務検討が停滞しているものもあるようです。会計制度は、経済実態の変化に合わせて変わっていく可能性もあることは、リーマンショック後の経済環境の悪化の中では仕方ないことかも知れません。

 先ず、市場(上場企業と投資家)からみたIFRS問題の概要を、企業のディスクロージャーという視点から簡単に見てみたいと思います。

◎日本の会計基準も、IFRSの要素を取り込んで、相当にIFRSに近いものに変更してきている。
(【コンバージェンス】=完全にIFRSと同一基準ではないが、IFRS側が認める範囲で日本基準がIFRSと共通化されている)
◎IFRSは、ディスクロージャーされるのが連結財務諸のみで、単体の個別財務諸表は各国会計基準による開示。
◎上場企業が任意でIFRS基準利用の決算を行うことを、2010年3月期から金融庁は認めているが、現在、今度の導入は予定も含めてJTや住友商事など22社(経団連調べ)で、その他に約60社が検討している。
◎日本の経済実態に合わない項目を除外した日本版IFRSの導入・強制適用を目指すことも検討されている。実際、IFRS導入83ヵ国において43ヵ国がこの方式。(経団連調べ)
◎米国基準を利用する上場企業もトヨタ自動車や野村など32社と増えている。(経済産業省調べ)2002年からは米国市場に上場していなくても、米国式連結財務諸表を日本での有価証券報告書に含めることが認められている。

つまり、上場企業の会計基準としては、日本基準・IFRS・米国基準に加え日本版IFRSと4つが併在していく可能性があります 会計基準の統一化の為のステップでしょうが、余り好ましい状況ではないようにも思います。

また、IFRSはあくまでも過去の数値で企業実態を把握する目的ですが、今後どのような変化の可能性があるのか探る為には、誰とどの様な競争をしているのか、解り易い開示が求められるように思います。これは、会計制度ではなく開示制度の問題でしょうが、せめて企業が自発的に行う取引所開示などで利用する決算短信には、競争の目的や実態を積極的に開示して欲しいと思います。出来れば、業界内の同じような基準で。

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