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2017/10
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MSCBやMSワラントの現状について
 MSCBとはMoving Strike Convertible Bondで、転換価格修正条項付転換社債と約しますが、先ず転換社債は現在だと新株予約権付社債と言い直す場合が多いのと、問題となるMSCBはその新株予約権部分の行使価額を、下方に修正するよう定期的に見直すものなので、下方修正条項付新株予約権付社債とも呼称します。やはり、長くて言い難いので、業界ではMSCBといった方が分かりやすくなっています。

☆MSCB等の現状について

【基本的なスキーム】
・発行時には、一旦その時の時価に近い行使価格を設定しますが、その後定期的(多いケースは発行後、毎月)行使価格を時価に合わせて見直します。
・問題は、行使価額を見直す算式が、直前一定期間(1週間程度)の時価の90%といったように、その時点で取引されている株価より安く設定されることです。
・その為、CBの転換(新株予約権の行使)が進みやすく、資本調達が行いやすいスキームとなっています。

【基本的な問題点】
・MSCBが、業務提携先や資本提携先が保有するなら、一定期間行使されず、行使価格の見直し頻度も目的に沿ったものなので、それ程市流通市場への影響が大きくないかも知れません。
・しかし、実際のMSCBは証券会社や投資会社に割当てられることが多く、また見直しの度に株価が下方方向にバイアスが掛り易くなっています。
・例えば、下方修正の計算期間中に、株式を借りて売却し、行使価格を低く抑えることでより多くの株式を取得しようとする動きも強まりました。行使した株式を借りた株式の返還に充てれば、短期的な裁定取引が可能となり、MSCBの保有者にとってメリットが大きくなります。
・しかし、一般の投資家の立場で言い換えれば、MSCBは市場での裁定取引を前提としたファイナンス手法で、頻繁に行使価額を下修正するスキームは、株主や長期保有の投資家からみると株価下落要因としか捉えようがありませんでした。

【MSCBに関する規制】
・証券会社がMSCBを第三者割当で引き受けるケースは、2007年7月施行の自主規制ルール“会員におけるMSCB等の取扱いに関する規則”で規制されました。
・上記のルールは、“第三者割当増資等の取扱いに関する規則”として2010年2月に変更されています。
・なお、MSCB等の等にはMSワラントも入っていますが、事前の貸株契約と第三者割当増資を組み合わせることでも、同等の経済効果を生じる裁定取引的な対応が可能な為、前段の規則改正で強化されています。このルールは、証券会社が発行企業と別の投資家の間に入ってMSCB等を斡旋する場合もカバーしています。

【最近のMSワラント】
最近、医薬品関連などで再びMSワラントの発行が目立ってきていますが、MSワラントはMSCBと違って発行会社側の直接の資金調達になりません。このことは、市場での裁定取引に全く頼った資金調達スキームなのか、そうではないのか個人の一般投資家にも分かりやすく説明する必要があります。証券会社が裁定取引をして悪いわけではありませんが、一般の個人投資家が売買できる銘柄で行うことは、市場仲介者として、それなりの注意を要します。

 いっそ、プロ向け市場で上場し、プロ投資家間での売買を前提としたMSワラントやMSCBの発行なら問題は少ないかも知れません。


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