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2017/10
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ヘッジファンドとデイトレーダー
 ヘッジファンドとデイトレーダー。一般的には、両者とも普通の投資家と異なる投資行動を取るイメージが強く、特殊な存在感があります。例えば、予期せぬ株式の急落が有る時など、ヘッジファンドが先物で売りを仕掛けたと市場関係者から指摘されることがあります。また、デイトレーダーはネット証券にとっては重要な顧客でありますが、個人投資家の中では特異な存在として見なされる傾向が未だに残っています。それぞれ、市場における存在感は大きいのですが、大多数の投資家とは異なる投資行動をするとか、投資に対する考え方が違うとか見做されがちで、語感は一般にはネガティブな印象が強いように思います。

 しかし、ヘッジファンドの投資手法は運用業界に大きな影響を与えましたし、デイトレーダーは市場参加者の多様性を維持する為に必要な役割を演じるようになっています。その現状について、概況は以下のようなものです。

【ヘッジファンド】
・ヘッジファンド・リサーチ社(米)によると、9月末の世界中のヘッジファンド投資残高は、2.51兆ドルで、本年第3四半期中(6月~9月)に新規資金が230億ドル流入しています。

・一方、世界全体のファンドの運用資金は27.86兆ドル(本年3月末、国際投資信託協会調べ)となっています。

・従って、ファンド全体の中でヘッジファンドの占める割合は9%程度ということになります。
(※株式関連のファンドは11.51兆ドルなので、この比率は21.8%に上昇します。)

・また、日本で販売されたヘッジファンドの残高は金融庁の調査によると本年3月末で1.71兆円(305本)となっており、そのうち国内のヘッジファンドは1.02兆円(同時期の国内株式投信の4.4%)、海外のヘッジファンドは0.68兆円(同時期の債券型を除く海外ファンド残高の4.0%)

・上記の数値から、日本でのヘッジファンド投資の拡大余地は大きいと思われます。
(アブラハムが個人にヘッジファンド投資を薦めていたのも一理あります。)

・ヘッジファンドの市場での存在感がその規模以上に大きく感じるのは、レバレッジ投資と多頻度売買に因ります。
(レバレッジは、売買注文を受ける投資銀行が、資金や株式を貸付けたり特定のデリバティブ契約により信用リスクを供与します。多頻度売買はHFT(High-Frequency Trading)で行いますが、ヘッジファンドとは別に、HFTで超短期の鞘取りを行う業者もいます。なお、HFTに関しては別の機会に論じたいと思います。)

・ヘッジファンドの特徴について、IOSCO(証意見監督者国際機構)は以下の纏めています。
 通常の集団投資スキーム規制に含まれる借入やレバレッジに関する規制が適用されない。
 管理手数料に加えて、高い報酬手数料を(しばしば利益の何%という形で)徴収する。
 投資家は、四半期毎、半期毎、1 年毎等定期的に(定められた期間に)売却が認められる。
 投資マネージャーが、多額の自己資金によって投資することが多い。
 しばしば投機目的でデリバティブが活用され、空売りを行う能力も有する。
 多様なリスクや複雑な仕組みを持つ資産に投資を行う。
(従って、通常のファンド運用のように市場指数を上回るパフォーマンスの目標とするのではなく、全体的なプラス収益の追及と、多様な投資対象がその特徴になっています。)

【デイトレーダー】
・業界内の通説では、デイトレーダーは3~4万人いると言われています。
(※デイトレーダーは、一般的には毎日市場で何らかの売買することで生活する個人との意味もありますが、本稿では毎日売買する個人投資家を指します。)

・最新のMANEX個人投資家サーベイ(2013年10月公表分)では、顧客全体の5.5%がデイトレードを行うとされています。

・各社の決算説明資料などから、ネット証券大手7社のネットの個人投資家数は全体の2割程度と見られ個人投資家実数1,600万人から推計すると、7社の推計実数は320万人程度。その5.5%なら約18万人というデイトレーダー数が推計されます。

・日本証券業協会によると、証券会社での個人インターネット利用調査では、1ヵ月間(本年3月)に100回超売買する個人投資家の売買金額が、個人投資家全体の61.8%を占めている。

・つまり、市場でのデイトレーダーの存在感が大きくなっています。(個人の市場での売買シェアは、金額ベースで委託取引全体の28.1%[10月11日の週間])

・デイトレーダーに有利となる取引ルール改正も行われており、年初からの信用保証金の日中での複数回利用が可能となったことや、11月5日から予定されている信用取引での売り下がり禁止(アップテック・ルール)が原則廃止されています。

・デイトレーダーの出自として、最近は金融機関や証券会社の元トレーダーなどが上げられますが、個人による自分専用の運用会社とも見做す事が出来ます。現在、金融庁による登録を受けている投資運用業者は315社しかありませんが、20万人近く毎日売買する個人運用者がいることは、市場の構成要素として大きな意味があるのではないでしょうか。

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