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2017/06
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最近の上場企業ファイナンス動向について
 IPO(新規株式公開)の増加が伝えられていますが、上場会社のファイナンスも活況となっています。
景況観の回復から、企業の資金調達ニーズも増加している証左でしょうが、この動きが成長戦略の目指すところである長年のデフレ脱却に繋がればと期待したいところです。
とは言いましても、ファイナンスは市場に流通する株式を増加させるので、マーケットでの需給関係に大きな影響を与えます。例えば、バブル絶頂期の1989年には公募増資だけで5兆円の資金を市場から調達し相場反落の要因の一つになりましたし、近くは2009年にも金融機関や大手企業による大型公募(合計5兆円)が相次いだ為、市場全体のリーマンショックからの反発を抑える要因や増資インサイダーの遠因にもなりました。

 さて、今年(2013年11月上旬まで)の上場企業ファイナンス動向は、以下のような概況となっています。

【公募増資】
 今年は、公募増資案件が増加しており、既に100社近くと案件数では例年の2倍の水準ですし、全体の調達金額は約2兆円近くとなっています。ただし、比較的小規模も公募が多いのと、件数では全体の3割を占めるJ-REITが目立っていますが、金額ベースでは約半数の1兆円を調達しています。

【新株予約権付社債(CB)】
 新株予約権付社債の発行も増加しています。今年は既に36社が発行していますが、
・投資会社や証券会社などに第三者割当で発行したもの----11案件
・国内公募----5案件 調達額575億円
・海外公募---20案件 調達額3730億円(米ドル建て3件を含む)
と、海外公募が急増しています。なお、海外公募の新株予約権の行使価格は、概ね25~40%程度発行時の時価から高い水準に設定されています。

【第三者割当増資】
 第三者割当増資の件数が減っているのも今年の特徴です。それでも、10月末までに70案件ありますが、業務提携目的のものは増加しており、ファンドや投資会社に大規模に割り当てるものは減少しています。希薄化率25%超のものは、実質的に制限されているのと、不公正ファイナンスに対する監視が厳しくなっている影響と思われますが、その結果、概ね正常化してきていると感じられます。

【MSワラント(下方修正条項付新株予約権)】
 10月はMSワラントが4件ありました。メリル・UBS・マッコリーと全て外証の引受ですが、マッコリーはMS型以外のワラントでも引受手になっています。ただし、一部の投資会社(マイルストーン等)が行っている事前の大株主からの貸株契約+ワラントの有償発行のスキームは、少し不公正取引の観点からみて微妙なこともあります。

【ライツ・オファリング】
 昨年10月決議のADワークス以降13案件とファイナンス手法としてはすっかり定着した感があるライツ・オファリングですが、様々なものが含まれてきました。この制度整備が行われたのは、大規模な公募増資の代替として期待された手法と見做されていたからですが、大規模な第三者割当の代替と見られる発行事例もありますし、中には行使価格を極端に低くすることでファイナンス目的以外の意図を感じるものもあります。一方、この10月ADワークスは昨年のノンコミットメント型に続いて、今度は証券会社の実質的な引受行為が伴うコミットメント型を実施しました。
やはり、ライツ・オファリングは企業にとって大規模な資金調達をするということなので、このファイナンス手法の定着が、利用する企業の成長とともにあるのが理想です。


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