*All archives* |  *Admin*

2017/06
<<  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30  >>
M&Aの基本要素とアドバイザー
 M&Aを最もシンプルに考えますと、次のようになります。
◎企業や事業を、売り手と買い手が合意して売買すること。
 国語辞書のような書き方で、読まれている方には恐縮ですが、M&Aのプロセスは複雑に考えれば相当専門的になりますので、必要最低限のことから見直しました。

つまり、M&Aは売り手の経営者(=オーナー)が、買い手に対して“あなたに任せる”と言ってしまえば成立することなのですが、当然任せる条件はあり、その条件の中でもっとも大きなものは対価(概ね金銭)です。
買い手からすると、企業(事業)価値ということになります。

 その対価=企業価値に関して、買い手は売り手が合意できる条件を出せるかM&A最大のポイントですが、買い手がオーナーのように単独で決断できればM&Aプロセスは短縮できます。しかし、通常は買い手の他の株主や主要な取引先などに納得してもらう根拠が必要で、その為に財務内容からみた企業価値の適正さを確認するため、売り手の決算書類などの精査(DD=デューデリジェンス)を行うのですが、これをサポートするのは会計士系コンサルが行う場合が多いです。この精査した財務内容から、資産や収益性に基づき一般的な企業価値を算出します。しかし、売り手を納得させる為、買い手としてはこの売り手企業の一般的な企業価値にプレミアムをつけるケースも多くみられます。買い手が、売り手企業と同業の場合などは全体としての売上高拡大などでプレミアムは買い手自らが想定しやすいかも知れませんが、異業種やファンドなどの場合、他の事業との相乗効果を考えることになります。M&Aの案件が大きい場合など、この相乗効果の算出し適正なプレミアムについて、投資銀行や金融機関のアナリストなどが助言する場合もありますが、殆どのM&Aでは買い手自らが判断していきます。

 次に、売り手の条件としては売却する事業に関するものです。例えば、従業員の雇用は守って欲しいとか、この事業分野は続けて欲しい、この取引先との取引を継続して欲しいといったようなものです。一方、買い手としても事業を上手く継承していく為、売り手側に条件とつけるケースもあり、この様な条件は契約書のかたちで落とし込みます。これは、当然弁護士の仕事となりますが、M&A経験のある弁護士の方が、対価=企業価値以外の条件のすり合わせをよりスムーズに行うといったのが一般的な評価のようです。
 なお以上のプロセスは、買い手側にとって以下の様なM&Aの代表的な失敗を避けることも、その目的としています。
●決算書類に未計上の資産や負債(固定資産や引当金未計上、売掛債権や棚卸資産滞留、未払金・費用や退職給付債務の未計上など)、DDで認識できなかった契約の存在など。
●買収後の統合プロセスで、直後に主要な従業員は退社してしまう。
●買収後、取引先や金融機関などとの関係が変わり、業績悪化してしまう。
●評価した売り手企業の技術が、俗人的だったり、ノウハウは社内に蓄積されていないため、成果が期待値以下となる。  など
 
 とても長い前置きになりましたが、上記のM&Aプロセスをなるべく簡略化してスムーズに行うことと、その相手企業(事業)を選定していく手助けを行うのがM&Aアドバイザーの仕事です。特に業法上の資格は必要ありませんが、上記の様な主なM&Aプロセスにおいて、会計士や弁護士などの専門家との連携が必要ななこと、相手企業を選定して際、依頼企業の経営者の意向に沿った対象を選択することが可能な情報網を確保していることなどがM&Aアドバイザーとしての強みになります。したがって、金融機関や証券会社・専業のM&A専業者などがアドバイザーの役割を果たすケースが多いのですが、誰もがM&Aアドバイザーとなれることもまた事実です。
 (業法で業務内容が定められている銀行や証券は、本業に付随する業務としてM&Aアドバイザー業務を行えることが明確化されています。)

なお、M&Aアドバイザーの実務上のポイントとなることは、次回に触れたいと思います。

スポンサーサイト

テーマ : 証券・金融関連業務
ジャンル : ビジネス

Secret
(非公開コメント受付中)

最新記事
カテゴリ
最新コメント
プロフィール

ポーラスター

Author:ポーラスター
2009年1月スタート

最新トラックバック
月別アーカイブ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク
RSSリンクの表示
参考文献
QRコード
QRコード