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情報産業としての証券会社の縛り=法人関係情報について
 証券会社は上場企業の株式売買を仲介しますが、一方でその企業のファイナンスやM&Aなど株価に影響を及ぼす可能性の高い情報に接する場合も多く、これらの情報に接した場合は、“法人関係情報”として証券会社内で厳格に管理します。
 その厳格に管理することはどの様なことかといいますと、情報を取得したファイナンスやM&Aの部門と他の営業部門間の情報を遮断(チャイニーズ・ウォールを機能させて)し、その状況を管理部門がモニタリングするということになっています。また、法人関係情報は金融商品取引法で規定されるインサイダー情報(未公表の重要事実)より広い範囲で考えられています。

 例えば、現時点では重要事実ではなくとも、将来そうなる可能性の高い“蓋然性”がある情報、またそれ自体は重要事実でなくとも、他の情報と組み合わせて考えれば重要事実を“示唆”するような情報まで拡げて、証券会社内では法人情報関連情報として管理されます。言葉の定義を、証券業協会の自主ルールそのまま使ったので分かり難いかも知れませんが、増資インサイダー事件の例でいいますと、アナリストが通常の分析レポートを公表しなくなったり、引受部門の担当者などが頻繁に訪問する情報などを組み合わせ、直近の公募増資の可能性を示唆したり蓋然性を示したりすることが行われました。この様なケースを防ぐために 2012年8月より法人関係情報の範囲を一層拡大しています。
 
 一方、法人関係情報を得た証券会社は、取引の公正さ・投資家の保護・証券会社としての信用を守るために以下の行為が禁止されています。
●法人関係情報を提供した勧誘行為の禁止
●プレ・ヒアリングに関連した法人関係情報の提供の禁止
●法人関係情報に基づく自己売買の禁止

 また、協会の自主規制においても、若しファイナンスなどで情報が事前に漏えいしインサイダー取引などが発覚した場合、そのファイナンスの引受中止や延期を発行会社と相談することに自主ルールに定め直しています。(筆者の個人的意見として、この対応はファイアンス元である企業への配慮が少し不足しているようにも思えますが、・・・)

 投資というものは、様々の情報を元に判断される行為ですので、証券業務も情報産業の一環かもしれませんが、顧客である企業の情報管理が上記のように難しいのは、これらのファイナンスやM&Aを実行する部門と、投資家に対応する営業部門、自己の売買を行う部門、調査を行う部門などのそれぞれに利益相反することがあるからです。
この利益相反に配慮し、各部門の業務の健全性を守るためにチャイニーズ・ウォールが設けられる訳ですが、常にウォールの適正さを守る努力が証券会社には求められています。

 逆に言いますと、証券会社の法人関係情報の管理は、他の業態より一歩進んでいるとも言えます。


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ジャンル : ビジネス

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