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2017/11
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HFTと個人投資家
 HFT(High Frequency Trading=高頻度取引)を個人投資家の視点で見ると、おおよそ2つあると思われます。

ひとつは、売買注文を大量に発注するのでHFTの対象となる銘柄は流動性を増すということ。これは、個人投資家にとってもメリットで、比較的自分のイメージに近い売買することが可能になります。

ふたつ目は、超高速で売買を繰り返すことで急激な株価の変動を起こすのではないかとの恐れです。2010年に米国で起きた突発的な株価急落(フラッシュ・クラッシュ)では、HFTが主因でないにしてもその影響が大きかったのではと指摘する関係者が多くいます。普通に考えると、同じような売買注文が重なっていけば、株価は一方向に大きく動きますが、若しHFTで同じようなアルゴリズムが発動した場合、同じような売買注文が高速で執行される可能性があります。急激に下落した後、急速に反発ということも起こりうるでしょう。

 ただし、証券会社の自己売買部門や裁定取引業者(特定のファンドやプロップハウス)と違って、必ずしも売買しなくても良い個人投資家であれば、相場のアヤのように一過性の動きとして見過ごすこともできますので、HFTの影響を深慮する必要もないかも知れません。

 一方、個人投資家の中にも日々若しくはそれより短期間で株価の値ざやを取ることを目的として売買を行う個人トレーダー(デイトレーダー)層がいますが、彼らの売買も市場の流動性を高めることには寄与するはずです。HFTで行う裁定取引も個人トレーダー層の短期売買も、市場においては一定の役割を果たすということでしょうが、短期的な値ざやの確保は他者より優先して行う必要があり、HFTの裁定業者間・個人トレーダー間そしてHFTと個人トレーダー間での裁定取引競争が行われることとなります。その裁定取引競争により一層市場の流動性向上が図れるのなら、それは日本市場にとってはプラスでしょう。

 但し、裁定取引間の健全な競争とは何か、市場取引全体からみた議論もまた必要に思います。例えば、HFTの裁定取引間の競争は、HFTに用いるアルゴリズムの開発(他社のアルゴリズム分析や発注方法の改善)でしょうし、個人トレーダーとHFTの競争は個人トレーダーの経験と分析力がキーになるかも知れません。また、アルゴリズム間の競争では、他者のアルゴリズムより早く発注するスピードを競うような競争も行われるでしょうが、取引所が提供するコロケーションサービスを利用すれば、同一のサーバーから自動的に発注されるので、HFT間の競争では同じようなスピードに近づいていくはずです。

 なお、HFTでの取引にはイベント(経済情勢の変化や企業の発表)などを材料に売買を行うものがありますが、企業の重要事実の公表が電子的ネットワークで行われる現在、瞬時に情報を入手しミリ秒単位で発注することも可能となっています。この様な対応はHFTでは出来ても、個人トレーダー層を含む個人投資家層には対応することが不可能です。

 市場の進化は必要なことでしょうが、HFTや個人投資家を含めて多様な投資家が参加し、それが維持される市場のルールも重要なので、個人も理解できるようにHFTやそれに伴う取引ルールの在り方を議論していくこともまた市場の発展には大切なことだと考えます。


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