*All archives* |  *Admin*

2017/09
<<  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30  >>
空売りの課題~海外投資家の場合、個人の場合
 一般の投資家にとって“空売り”のイメージは余り良いものではありません。その理由の一つは、一般投資家が余り利用しない投資手法であることです。また、相場の押し下げ要因としてマスコミなどでもネガティブな行為として取り上げられることが多いからかも知れません。しかし、市場関係者のコメントでは、空売りしてもいずれ買い戻すので市場の流動性が増すことや、市場の動きが一方的になった場合(ITバブルなど)に適正な水準に戻す抑えになるといった機能的擁護論も聞かれます。

 空売りが良いか悪いかという議論は置いておいて、日本市場においては現状どうなっているかを簡単に触れます。

先ず海外のヘッジファンドやプロップハウスなどが行う空売りは、リーマンショック以降売ろうと思っている株式を事前に貸株市場(金融機関などの店頭市場)から借りて売ります。(※株式を借りないで売り、後で決済日までに借りて決済することは、ネーキイド・ショート・セリングといって禁止されています。=日米欧の市場とも)また、このような株式を事前に借りているかどうかのチェックは、海外投資家の注文を日本市場に取り次ぐ証券会社が確認しますが、金融当局による証券会社検査項目の重要ポイントとしてこの確認行為が上げられています。

一方個人の空売りは信用取引に限られます。この信用取引による空売りは昨年大きく変わりました。一つは、昨年1月より信用取引に係る保証金利用が日に何度もできるようになり、同一銘柄で同一の保証金を使って日に何度も売買することが可能となりました。二つ目は、昨年11月から売り下がりを禁じたアップティック・ルールが原則廃止になり、個人が空売りを行いやすくなりました。その結果、個人の中でも短期的な売買を繰り返す個人トレーダー層にとって、空売りが利用しやすくなっていますが、一方では空売りに必要な株式の手当て問題が残っています。つまり、個人であっても空売りする場合、証券金融会社で利用する“制度信用”を利用するか、証券会社自らが空売りする株式を調達する“一般信用”を利用するかの二通りに限られますが、制度信用は空売り出来る株式が限られていること、一般信用の方は証券会社によって空売りに必要な株式の調達力が大きく違うことが問題としてあります。

一般信用で証券会社が空売りに利用する株式を調達する方法は、主に次の2つです。
・自社顧客若しくは自己投資分から株式を借りて、顧客の信用取引売りに貸し出す。
・貸株市場などを通して他の金融機関・発行会社の主要株主などから借りてくる。
何れの方法も証券会社によって調達能力が大きく異なってきます。

 個人トレーダー層を主要顧客とするネット大手の松井証券では、3月下旬から個人トレーダーの空売りに的を絞ったサービスを提供しています。
・制度信用や他社の一般信用では空売り出来ない銘柄で個人の売買が多い銘柄のうち、松井が株式を調達した銘柄をリスト化して、1日限りの信用取引で空売り出来るようにしています。
・但し、1銘柄20単元まで、かつ松井に当該銘柄の在庫がなくなった場合は貸出が終了(新たに空売りできない)します。
・この制度を利用する個人トレーダーは、通常の手数料に貸株料・金利(ここまでは通常の信用取引と同じ)、更にこの制度の利用料(プレミアム空売り料)を加えたものを松井に支払します。
・この制度を利用した場合、日中に買い戻す必要があり、もし翌日に信用売りのポジションを持ち越した場合は、松井によって任意に反対売買されます。

 個人トレーダー層の為に工夫されたサービスですが、デイトレーダー向けなので一般の個人投資家が利用する場合、相応の注意を要します。また、同サービスを提供する松井は、デイトレードでの空売りに応じる為、リアルタイムでの貸株状況把握と、そのポジション管理が必要ですが、ネット証券各社においてデイトレーダー向けの手数料・信用取引金利(例え日中の決済であっても、金利の両端計算で1日分の金利負担が生じる)引下げ競争が激しくなっている現状では、ネット証券のデイトレーダー顧客取り込み戦術として評価される事かも知れません。

スポンサーサイト

テーマ : 証券・金融関連業務
ジャンル : ビジネス

Secret
(非公開コメント受付中)

最新記事
カテゴリ
最新コメント
プロフィール

ポーラスター

Author:ポーラスター
2009年1月スタート

最新トラックバック
月別アーカイブ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク
RSSリンクの表示
参考文献
QRコード
QRコード