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2017/08
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日本版スチュワードシップ・コードが始まる
最近、海外プライベートファンドの方と日本の資本市場の仕組みについてお話する機会があり、その中で日本版スチュワードシップ・コートに対して非常に期待している旨の発言がありましたが、少し意外に感じました。
それまでの筆者の日本版スチュワードシップ・コードに対する認識は、改正される会社法(来年4月施行の可能性)で、社外取締役設置の義務化が出来なかったので、機関投資家側からのコーポレート・ガバナンス強化策として、議決権行使などをルール化するものといったイメージでした。機関投資家としての行動基準を定めて、企業との会話を進めることを目的にしていますので、率直にいって機関投資家側の負担が増すだろうといった感想を持っていました。
一方、海外ファンドの方が期待していたのは、この行動基準によって日本企業の投資家との対話が進み、結果として日本企業の企業価値向上に向けた動きか強まる。その為、企業側・投資家側双方が影響を受けて、日本市場が構造的に変化していく可能性もあるとのことでした。

 そもそものスチュワードシップ・コードは、2010年に英国で制定されたものですが、その背景には2008年の金融危機がありました。銀行が過大なレバレッジを掛けた原因が取締役会のコーポレート・ガバナンス機能が十分でなかったという問題認識もあり、機関投資家が投資先の企業との会話をより積極的に行うことで、これを補おうとするものです。
 この名称のスチュワードとは、中世において領主の財産を預かっていた家令や執事のことを指すようですが、日本版スチュワードシップ・コードは “責任ある機関投資家の諸原則”とされています。
 
日本版スチュワードシップ・コードは、昨年末にその内容が示され広く関係者や有識者から意見を求めるパブリック・コメントが実施されていますが、原案が英訳されて公表されたことで、海外からのパブコメも寄せられ、その内容が公表されています。海外の機関投資家にもこの取組みを理解して欲しいとのことでしょうが、英文パブコメの公表も、また新しい取組みです。
その内容は、責任ある機関投資家(あくまでも中長期の投資を目指すもので、短期的利益を目指すファンドやヘッジファンドは想定されていません)として企業との対話の在り方や議決権行使に関して基本行動ルールを公表するなど7つの原則が中心になっています。このそれぞれの原則にそって、より具体的な内容を示す指針も示されています。例えば、保有する株式を貸株している場合、貸株取引に関する基本方針を示すべきとか、議決権行使で助言サービス会社を利用している場合は、その活用内容を公表すべきといったものもあります。

金融庁は、日本の生命保険会社や運用会社などを想定し、5月末まで日本版スチュワードシップ・コードを受け入れるかどうか表明を求めていましたが、120社以上が同基準を受け入れるといった報道がマスコミでなされています。なお、同基準を受け入れる機関投資家は、自社のホームページで自らの行動基準を公表する必要があります。既に、最大の機関投資家である年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)や複数の生命保険会社や運用会社などが受け入れを表明しており、今後機関投資家との会話が進むことで、日本企業の投資環境が構造的に変化することに、大いに期待したいと思います。


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