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2017/08
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クラウドファンディングが越えなければならない壁
 インターネットで事業資金を集めるクラウドファンディングは、それぞれの立場で夢の方法の様に思える時があります。筆者も、長く証券会社で企業ファイナスを支援する仕事をしてきましたが、この様な方法が仕えたならと今更ながら思いますし、今年度中に整備される“投資型”クラウドファンディングに対して大きな期待をもって見ています。また、世間一般の関心も高いので時々マスコミに取り上げられ、少しだけのブームを起こすこともあります。最近では、飛騨地方の地ビール会社が、地元信金の勧めでクラウドファンディングを行い、醸造タンク資金を調達したことが、ウォールストリート・ジャーナルの記事で取り上げられています。

 しかし、企業のリスクマネーを集める以上、“投資型”クラウドファンディングが越えなければならない壁があります。一つ目は資本市場の壁です。

 日本の資本市場は、金融商品取引法を基盤として投資家保護が図られていますが、例え50万円以下の少額であっても“投資型”クラウドファンディングにおいても一層の投資家保護が図られなければなりません。関係法令の国会での審議以前でしたが、消費者委員会(内閣府)より“ クラウドファンディングに係る制度整備に関する意見”(2月25日)では、クラウドファンディングを仲介する業者に対して次の様な対策が講じられるべきとの意見が纏められています。(筆者が簡略記載:詳細は消費者委員会のHPをご覧ください。)
●クラウドファンディングの仲介を行う業者が、デューデリジェンス(企業内容の詳細調査)をどう行うか明確にする必要があり、一個人の投資上限50万円の実質的しり抜け行為な無いようにする。
●ネットを通じて、適切にデューデリジェンスや企業内容に関する情報提供が行われるようにする。
●投資者が非上場株式やファンドへ投資することの意義・特質、そして流動性リスクやデフォルトリスクを十分に理解した上で投資判断しているかを仲介者が確認する。
●クラウドファンディング専業者については、電話や訪問などの勧誘行使を禁じるべき。
●海外業者の行う詐欺的行為を防止する措置をとるべき。

 クラウドファンディングの日本での現状は、累積投資額80億円程度と未だ創成期段階で、寄付型・購入型が殆どと言われていますが、一部の事業者では投資に近いものも扱い始めているようです。普通のIPO銘柄でも、数年でビジネスモデルが上手く行かないものもありますが、話題先行のクラウドファンディングで問題が顕在化してくるのはこれからの様です。
 
二つ目の壁は個人情報の壁ですが、これは企業の経営者のものと投資家のものの2つの側面があります。
クラウドファンディングを利用する企業は、普通の公開企業に比べ著しく情報が少ないのですが、それを補う為に経営者情報を投資家に継続的に与える必要があります。現在のクラウドファンディングは、単に業者のプラットフォームにファイナンス情報を晒しておくだけではなく、メールやSNSを使っての個人に対するマーケティングも行われていますが、企業・製品情報だけではなく経営者情報もこのルートで流されるようになります。結果、経営者のプライバシーがクラウド(一般)にも流される可能性も想定しておく必要があります。一方、投資家の個人情報に関して、クラウドファンディング業者の個人情報保護義務は当然ですが、個人への製品発送を行う企業側にもこのルール順守の徹底が必要です。
 つまり、経営者情報は壁を越えて投資家に流れるよう、投資家情報は壁を越えないような仕組みを作っていく努力がクラウドファンディング業者に求められます。

 これから出来る“投資型”クライドファンディングが日本にしっかり根付いていく為に、この2つの壁を超える努力がクラウドファンディング業者に求められています。

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